芳幾・芳年の全貌に迫る『芳幾・芳年―国芳門下の2大ライバル』2月25日より開催
2023年2月25日(土)より、三菱一号館美術館では、『芳幾・芳年-国芳門下の2大ライバル』が開催される。江戸後期の浮世絵師・歌川国芳の弟子で、幕末から明治にかけて人気を二分した、落合芳幾(1833ー1904)と月岡芳年(1839-1892)。30歳前後で明治維新を迎えた彼らが、浮世絵衰退期にどのように生き残ろうとしたのかを、明治末期の浮世絵を網羅する浅井勇助氏の「浅井コレクション」ほか、貴重な浮世絵コレクションから紹介する。
落合芳幾は、師・国芳の死絵(歌舞伎役者や戯作者、絵師などが亡くなった時に、辞世の句や法名、没年などを記した似顔絵)を描いた、国芳門下の一番弟子。17-18歳の時に歌川派に入門し、幕末には安政の大地震を描いた錦絵で名声を得た。しかし明治時代以降は浮世絵に見切りをつけ、『東京日日新聞』よりゴシップ的な記事を取り上げた新聞錦絵を始めて絶大な人気を博した。
一方、芳幾より6歳年下の芳年は、12歳で国芳に入門。師の国芳が得意とした武者絵を多く描いたが、スランプに陥り神経を病んだ。
恢復後は、芳幾に対抗して『郵便報知新聞』の新聞錦絵に携わるも、最後まで浮世絵にこだわり続け、晩年には『風俗三十二相』などの美人画や、『月百姿』などの静謐な作風で江戸回帰を志向。