2022年6月17日 12:00
運慶の真作2点を公開!『運慶 鎌倉幕府と三浦一族』展7月6日より開催
12世紀末から13世紀初頭にかけて活躍した仏師・運慶は、奈良・興福寺や、東大寺での造仏で知られているが、一方で鎌倉時代における東国(関東地方)での仏教彫刻の展開を考えるうえでも欠くことのできない存在だ。
鎌倉幕府と密接に結びつき、北条氏からの信頼を得て東国での活躍の場を得た運慶は、浄楽寺(横須賀市芦名)に残る1189年作の諸像をはじめ、横須賀ゆかり氏族・三浦一族の造仏にも関わった。さらにその影響は満願寺(横須賀市岩戸)に残る菩薩立像などにも及んでいる。
現在、運慶の真作として確実視される像は、諸説あるものの30余駆といわれているが、浄楽寺にはそのうちの5駆が安置されている。
7月6日(水)より横須賀美術館にて開催される『運慶鎌倉幕府と三浦一族』では、浄楽寺所蔵の5駆から《毘沙門天立像》《不動明王立像》の2駆を展示するほか、横須賀市内の重要な文化財である仏像22駆、24年ぶりに12駆揃って里帰りする《十二神将像》など、貴重な仏像や書跡など約50点を紹介。これまで実現したことのない、横須賀初の大規模な文化財展示となる。
同展は、貞応2年(1223 年)に没した運慶の800年遠忌を記念し、横須賀美術館と神奈川県立金沢文庫により、共同で開催されるもの。