2023年5月26日 16:50
林翔太が盟友・松本幸大と競演 舞台『DOLL』稽古場レポート到着
VR世界に飛び込んだいろはを導くナビドール役の山下朱梨は、丁寧に場を展開しつつも時にズィークの暴走に対し、冷静に場を動かす役割を果たし、戦闘シーンを盛り上げている。
搗宮姫奈
西葉瑞希、山下朱梨
いろはが親近感をもっているドール工房の主人・レトロ役の陰山泰は、彼らの戦闘を見守りながらも「人形つくりとは何か」を問いかけ諭し、やがては癒しをもたらす重要な役割を担っており、ベテランらしい安心感と放つ台詞が心に響く。可憐さと高飛車な少女・サラ役の岩田陽葵は、いろはやズィークを見守りながらも、自身もドールとともに戦闘に参戦。声優やアーティストとしても活躍する彼女の可憐さも目を惹くものがある。そして、VR世界で最強プレイヤーのディアベル、現実世界では刑事を演じる藤田玲が重要な場面で登場し、芝居に厚みを加えている。
陰山泰
藤田玲
岩田陽葵
本作の演出も実に面白い。VR世界の物語というと、映像やCGといった最新技術を駆使した演出がまず思い浮かぶだろうが、いい意味で裏切るものになっている。本作の演出は技術の類に一切頼らず、ダンスとアクション、パントマイムなど、身体表現を最大限に駆使し人形たちの世界を描き、場面転換はアンサンブルが手持ちで額縁を操り、表現の自由度も高いステージングとなっている。