2021年9月4日 12:00
平均律クラヴィーア曲集はこれからの人生のライフワークです。 曽根麻矢子 J.S.バッハ連続演奏会《BWV》Ⅱ 平均律クラヴィーア曲集第1巻(全曲)
日本を代表するチェンバロ奏者、曽根麻矢子による5年10回に及ぶJ.S.バッハ連続演奏会《BWV》の第2回公演が目前だ(2021年9月22日:Hakujuホール)。
今回のプログラムは『平均律クラヴィーア曲集第1巻(全曲)』という難題だ。クラシック音楽における「旧約聖書」にも例えられるこの作品はまさにクラシック史上の金字塔。ベートーヴェンやショパンなど、バッハのあとに続く作曲家たちに与えた影響は計り知れない。それは今を生きる演奏家においても同様だ。この大きく高い壁を前にして曽根麻矢子は何を思うのだろう。コンサートに向かう気持ちを語ってもらった。
曽根麻矢子(C)Yuji Hori
「『ゴルトベルク変奏曲』を演奏してほしいというオーダーはたまに入りますが、『平均律クラヴィーア曲集(全曲)』のオーダーが入ったことは一度もありません。過去25年以上に渡り、世界各地でかなりの数の本番を経験している『ゴルトベルク変奏曲』に比べて、『平均律クラヴィーア曲集』は本番回数がないに等しいのです。でもこれこそが、私のこれからの人生のライフワークとなる作品なのではないかと思えるのです。
今回のように全曲を1晩で弾く必要はないのですが、2夜連続にして間に対談などを挟んだりしながら演奏を聴けたら、お客様もまた違った楽しみ方ができるのではないでしょうか。