くらし情報『講談の名作「荒川十太夫」が新作歌舞伎に、多彩な演目が届けられた『芸術祭十月大歌舞伎』初日レポート』

2022年10月5日 13:30

講談の名作「荒川十太夫」が新作歌舞伎に、多彩な演目が届けられた『芸術祭十月大歌舞伎』初日レポート

と久々の光源氏役への思いを明かした。「生霊が出て来る話を舞踊劇で華やかに見せるのが、歌舞伎の良さ。風情を楽しんでほしい」と語る通り、華やかさと気品を損なわずに展開される幻想的な一幕に拍手が送られた。

続いては、世話物の傑作『盲長屋梅加賀鳶』。河竹黙阿弥が五代目尾上菊五郎のために書き下ろした作品で、今回は悪事を重ねる按摩の道玄を軸とした物語。中村芝翫が初役で竹垣道玄を勤める。按摩の道玄は人殺しもいとわない悪党で、平然と人を手にかけ立ち去るが、途中で煙草入れを落としてしまう。それを拾ったのが加賀鳶の頭・松蔵(中村梅玉)。
様式美で魅せるこの場面が後の物語に大きく影響していく。

講談の名作「荒川十太夫」が新作歌舞伎に、多彩な演目が届けられた『芸術祭十月大歌舞伎』初日レポート

第三部『盲長屋梅加賀鳶』左より、女按摩お兼=中村雀右衛門、竹垣道玄=中村芝翫
場面は盲長屋へと移り、舞台にはどこか薄暗いじっとりとした空気が流れる。按摩たちの可笑しみあるやり取りや、道玄のふてぶてしさが際立つ。しばらくして、姪のお朝の奉公先への強請を思いついた道玄は、言いがかりをつけて金を出させようとするが…。


講談の名作「荒川十太夫」が新作歌舞伎に、多彩な演目が届けられた『芸術祭十月大歌舞伎』初日レポート

第三部『盲長屋梅加賀鳶』左より、女按摩お兼=中村雀右衛門、竹垣道玄=中村芝翫、伊勢屋与兵衛=市川左團次、日蔭町松蔵=中村梅玉
「長屋でどうにかその日を生きる江戸の人々の世界に、現代のお客様をお誘いしたい」

関連記事
新着くらしまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.