2021年6月28日 11:30
HYDE、20年越し『ROENTGEN』再現するオーケストラツアー開幕「みんなに夢を届けられたら」
コロナ禍の今だからこそ今しかできないライヴをしようという発想から実現に至った今ツアー、ソロ活動のスタートから20年という歳月を経てついにそのときが訪れたのだ。
ツアー初日となる6月25日、そこはかとなく緊張感を漂わせていた場内は開演時刻と同時に暗転した。新型コロナウイルス感染症予防対策のため観客はマスク着用が義務づけられ、歓声など大声を発することが禁じられているが、それを補って余りある大きな拍手はどれほどこの瞬間を待ち侘びていたか、ありありと物語っている。
一気にみなぎる昂揚に先ほどまでの緊張感などたちまち霧散してしまったようだ。応えて鳴り渡るオーケストラの豊潤なアンサンブル、その深く重層的な音色に包まれてHYDEも『ROENTGEN』の特色のひとつでもある中低音域の厚みある歌声をオープニングから存分に響かせる。派手なステージセットや演出を一切必要としない、純度を極限まで高めた音楽によってのみ満たされたこのうえなく贅沢な空間。表情豊かに織りなされる『ROENTGEN』の楽曲たちは、20年もの時をあっさりと超えて実に鮮やかだ。
「EVERGREEN」や「SHALLOW SLEEP」