『瑛九-まなざしのその先にー」横須賀美術館で 戦前・戦後の前衛芸術における重要作家の全容に迫る大回顧展
また1957年制作の《カオス》は、クラゲのような有機的なモチーフが浮遊する、幅3メートル超の大作である。型紙に油絵具をエアブラシで吹き付けたり、フォト・デッサンの手法を応用することで、これまでの油絵では見たこともない不思議な効果を見る者に印象づける作品だ。
瑛九 《カオス》 1957 年 東京都現代美術館蔵
さらに同展では、瑛九が晩年にたどりついた「点描」の作品7点を、一挙に展示する。瑛九は最晩年の数年間を、おびただしい微細な点が画面を覆い尽くす点描作品の制作に没頭した。なかでも200号の大作が、絶筆となった《つばさ》である。空気や光、エネルギーそのものをあらわしたかのような表現に加えて、スピリチュアルな効果も感じられる圧巻の作品だ。
<開催概要>
『瑛九 ―まなざしのその先に―』
会期:2024年9月14日(土)~11月4日(月・祝)
会場:横須賀美術館
時間:10:00~18:00
休館日:10月7日(月)
料金:一般1,300円、大高・65 歳以上1,100円(11月3日は無料)
公式サイト:
https://www.yokosuka-moa.jp/