サイバーテロ防止に向けた国家資格が新創設。五輪セキュリティ対策は間に合う?
一方、技術者自身にとっても、企業がセキュリティーのプロを待遇面で重用すれば、優秀な人材が支援士の資格取得を目指すという好循環が生まれることも期待されます。
しかし、この制度は企業に義務付けられたものではなく、「資格試験にお金を出してくれる会社は少ないだろう。結局あまり集まらないのではないか」という冷ややかな憶測もささやかれます。「新制度を設置したから終わり」ではなく、いかに推進するか。その実行策が注目されます。
■「情報処理安全確保支援士」となるには
独立行政法人情報処理推進機構(以下「IPA」)が実施する情報処理安全確保支援士試験に合格し、登録をした者が「情報処理安全確保支援士」と名乗ることができます。試験は2017年度以降、4月と10月の年二回実施予定とされています。なお、制度開始から2年間に限り、情報セキュリティスペシャリスト試験、またはテクニカルエンジニア(情報セキュリティ)試験に合格した者も登録を受けられます。
また、情報処理安全確保支援士には、継続的にサイバーセキュリティに関する最新の知識・技能を維持するため、IPAが経済産業大臣の認可を受けて実施する講習を毎年受講することが義務付けられています。