テノール歌手 ヴィットリオ・グリゴーロ 圧巻のステージ。11月12日舞浜アンフィシアター公演への期待が高まる!
グリゴーロとも共演歴があり、頼もしいパートナーだと言えるだろう。
本公演は二部制で、第一部はロッシーニの歌曲『音楽の夜会』より「踊り」で幕が上がった。オーケストラの団員、指揮のボエーミがステージに登場し、演奏が始まると、グリゴーロが元気に走ってステージに現れた。手拍子を要求して観客を巻き込むなど、早くも彼のペースに。プッチーニの歌劇『トスカ』より「妙なる調和」、ビゼーの歌劇『カルメン』より「おまえの投げたこの花を(花の歌)」などを、曲ごとにその主人公となって、時にシリアスに、時にコミカルに歌い上げ、ステージを所狭しと縦横無尽に駆け回る。第一部最後のレオンカヴァッロの歌劇『道化師』より「衣装を着けろ」で、悲しみを抱えながらも観客を笑わせるために舞台に立つ道化師を演じた姿はまさに圧巻。
第二部はもともと予定されていた曲目の半数近くが直前で変更となった。指揮のボエーミがオーケストラの団員たちに“曲順はこちらですよ”という感じでユーモアたっぷりに曲順が変わったことを確認すると、クリゴーロも近くの団員の楽譜立てを覗き込んで“大丈夫!”というジェスチャーで返すなど、第二部も最初からリラックスした雰囲気になっていた。