くらし情報『シェイクスピアを追求し続ける2人が、新しい「リア王」に挑む。演出:木村龍之介×主演:串田和美のスペシャル対談到着。』

2022年2月28日 14:00

シェイクスピアを追求し続ける2人が、新しい「リア王」に挑む。演出:木村龍之介×主演:串田和美のスペシャル対談到着。

串田「劇中、“80歳を超えて…”という台詞があるのだけど、シェイクスピアの時代(16世紀)に80過ぎまで生きる人って、なかなかいなかったですよね。ある意味幻想的というか、80過ぎの人物を主人公とする感覚って、ちょっとSF的だと思うんです。今で言えば、200歳とは言わないまでも、120歳でまだ駄々をこねている親父。僕も今年の夏に80になるけど、自由に生きたいとは思いつつ、(周囲に)迷惑はかけたくない。『リア王』はこの、リアリティに欠けた部分に何かがあって、そこが面白さなんだな、と感じています」

――先日、木村さんは今回の上演に関連したレクチャーで、シェイクスピアの原動力の一つには、当時、“熊いじめ”という残酷な見世物が非常に人気を集めており、それがエンタメの主流になってしまうことへの反抗心があったかも、と指摘されていましたが、お二人は今の日本で演劇を上演することの意義をどうとらえていらっしゃいますか?

木村「“熊いじめ”だけに熱狂するというのは、あるべき人間の姿ではないと思っていますが、僕ら人間はつい、そういったもので社会を満たしてしまう危うさがあると思います。いっぽう、演劇は全く別のもので空間を満たします。

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