キャラクター絵画が背負うものとは?MEDEL GALLERY SHUにてグループ展「tenacity:執着」が5/24〜6/5まで開催!
あの頃は、うつくしくてつよくて大きなものに守られている実感がありました。
私が絵を描く理由は、かわいいものが好きだから、かわいい女の子を描きたいからではありません。ただ、幼い頃の視界や感覚を、再現しようと試みている。
幼い頃に頼りにしていた "世界を見るための眼鏡" が、少女漫画だった、ただそれだけ。
画面に立ち現れてくるのは、あの頃見えていた世界、見ようとしていた世界です。うつくしく優しいものだけを見て、この先ずっと幸せでいられると無条件に信じているあの頃の自分、そしてこれからもそんなふうに生きていきたいと願う自分。それは祈りにも似た感覚です。
私が描く人物像は、あの頃感じていた、うつくしくてつよくて大きな存在であってほしい。
だから、私が描く人物像はうつくしいし、つよいし、大きい。そして、あの頃の世界のように、優しくてしずかだ。
それがうまく画面に立ち現れたときに私は、自分の根底にあたたかくながれている空気をじょうずに吸うことができるのです。
略歴
1990年静岡県富士宮市生まれ
2013年武蔵野美術大学油絵学科油絵専攻卒業
2015年多摩美術大学大学院美術研究科修了
個展
2015年「わたいろのためいき」