特殊清掃の先駆者である株式会社リスクベネフィット・惟村 徹氏が登場!話題の本.com新着インタビュー公開
それが、この本を書こうと思った最大の理由でした。
――なぜ、ダイヤモンド・プリンセス号の除染を担当することになったのですか。
当時の日本は海外メディアなどから、新型コロナウイルスの感染対策が不十分だと厳しく批判されていました。私は自分の手によって、日本の名誉を挽回したかったのです。
当社のポリシーは「困った人の力になる」こと。特殊清掃という仕事を通じて磨いてきた除菌・消毒の技術を生かせば、社会、そして日本のために役立てると確信し、すぐ公募に手を挙げました。
当初、落札したのはアメリカの企業でしたが、それだけでは手が回らないことが明らかになり、当社にも除染を手伝ってほしいと依頼が入ったのです。電話を受け、私は「うちでよければ、力になります」と即答しました。
そして、当社とつながりのある全国の同業者にも声をかけ、約30人のチームを組んでダイヤモンド・プリンセス号に乗り込んだのです。
――当時の新型コロナウイルスは、「未知のウイルス」でした。除染作業を始めたとき、怖さや不安があったと思うのですが。
怖くなかったといえば、それは嘘になります。自分自身が感染する不安もありましたし、それ以上に、スタッフが感染したらどうしようという恐怖が強かったですね。