音楽劇「Zip&Candy」が、かめありリリオホールにて開幕した。本作は、にしのあきひろ二冊目の絵本として出版された『Zip&Candy』を稀代の劇作家・演出家のなるせゆうせいがアレンジして劇化した作品で、2019年に初演し、2021年に再演を予定するも新型コロナウイルスの影響で全公演中止となっていた。
本作は、土星を舞台に、人間とロボットが共存する世界を描き、最新型のロボット「ジップ」と、旧型のロボット「キャンディー」が出会うことで巻き起こる戸惑いや大切な人に出会った時に抱く愛おしさを随所に散りばめた作品である。どのキャラクターも底抜けに明るく、ギャグあり、恋あり、失恋あり、涙あり、たとえどんなに辛い今日が待っていても、明日のために強く生きることだけは忘れていない、そんなキャラクターたちが舞台を駆け巡る。
「ジップ」の少年らしいやんちゃで好奇心旺盛な姿を岩田陽葵と生田輝が、「キャンディー」の奥ゆかしくも外の世界への憧れで満ち溢れている姿を岩立沙穂(AKB48)と大西桃香(AKB48)がそれぞれWキャストでキュートに演じている。本作では原作に登場しないオリジナルキャラクターも多数登場し、それぞれのバックボーンも丁寧に描かれているのが印象的だ。