能まつりで 光源氏のモデルの一人 平安貴族・源融の世界を堪能
で演じます。「舞返し」という名の通り、舞を二度舞います。
一度目は早舞をクツロギという緩急に富んだ遊興的な舞です。型も増え、動きに回転が何度も加わり躍動的に舞います。一度目の舞の後、すぐさまテンポが速まり、二度目の舞「急之舞」が始まります。
「急之舞」は世界一速い舞と謂われ「道成寺」と「紅葉狩」にしかない特殊な舞です。
平安時代に名月の下で楽しまれた遊興に思いを馳せながら、この難しい舞に挑戦します。
仕舞は、観世喜之師の「駒之段」と観世喜正師の「雨之段」です。
月光輝く下で舞を舞う「融」に合わせて、月光浴を感じられる曲をお願いしました。
狂言「吹取」は、大人気曲です。これも月夜と音楽に因んだ曲です。曲中で演者が実際に笛を吹くという珍しい狂言です。萬斎師が笛を吹くシーンが見せ場になっています。どのような笛が吹かれるのか、お楽しみください。
桑田貴志 能まつり
桑田貴志
観世流能楽師桑田貴志が自身の芸の研鑚のため立ち上げた主催公演。
第14回公演は、能「融」に挑戦します。
この能は、美しく風流な平安貴族・源融(とおる)(822~895年)を描いた能。源融は、嵯峨天皇の皇子として生まれたのち、臣籍に下って源姓を賜り左大臣まで出世します。