くらし情報『加藤拓也×串田和美が語る『博士の愛した数式』 「3人の関係は、家族というルールに囚われていないところが美しい」』

2023年1月19日 12:00

加藤拓也×串田和美が語る『博士の愛した数式』 「3人の関係は、家族というルールに囚われていないところが美しい」

自分で書いた台詞は、自分の思考を通って出てきたものだからすっと出てくるんですよ。でも他人が書いた言葉はそうじゃない。自分ではこう言わないというような台詞がたくさんあるわけ。そういうものを、さも自分が思いついた言葉のように思い込もうとするために書くんです。

――それで言うと、加藤拓也という作家の言葉はいかがでしたか。

串田:自分からは距離のあるものでした。でもそれが面白いんですよね。自分から遠い言葉がすっと出る人になろうとする努力が役者の楽しみだから。
そういう意味でもとても楽しい公演でした。

――そんな加藤さんにとって、小川洋子さんという作家の文体や言葉はどう映りましたか。

加藤:惚れ惚れしますよね。文章のリズムとか、言葉のチョイスとか、僕にはないものがたくさんあって、そこに非常に魅力を感じながら上演台本にさせていただきました。まるで湖の中にそっと手を入れてみて、水面が揺れないようにゆっくりと手を抜くと、手のあたりに毒がついちゃっていたような、そういう美しさを小川洋子さんの文章には感じます。――湖、というのは今回の演出を語る上でキーになるフレーズでしょうか。

加藤:なるかもしれないですね。

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