市川團十郎、恒例の1月新橋演舞場公演 『裏表忠臣蔵』で大星由良之助 「昨今の日本の中で報われる忠実な男を作り上げたい」
「全体的に権力を持ったおじちゃんがパワハラしてるだけの話じゃないですか」とストーリーをざっくりすぎる説明をして「言い方悪いか(笑)。だけども、実際そうですよね」と苦笑い。「それを現代の方々にも、もうちょっとわかりやすく『そりゃそうなるわな』と。日常生活の中で慢心している人間が、そういうことを起こしてしまい、大きなことになっていく、ということの中でのストーリー性をやっぱり重要にしたい。高師直に関しては、そういう傲慢な周りのことが見えてない、今もいるじゃないですか、資本主義の上の方にいるおじいちゃんたちみたいな、ああいうような人物像を歌舞伎として表現していきたい」と意気込む。
大星由良之助については「それに対して、今ではないですけど、主君が不合理なことで腹を切る。最後は仇とは言わないですが、そこを汲み取って、わかりましたと、一貫して貫く男。でも、そういう人間でありながらも遊んでる部分もある。
で、この遊んでる部分は何なのかっていうことも、変な話で7段目だけ見てたらわかんない。どうして遊んでいるかということを、もうちょっと写実に、リアリティを持って表現したい。内蔵助は日本人を代表する人物を演じたい。