初舞台の中谷美紀、カナダで初演決定。井上靖の『猟銃』原作でひとり3役に挑戦
中谷美紀の初舞台作品『猟銃』の製作発表が7月8日、都内で行われ、中谷のほか、映画監督、脚本家としても知られるカナダ人演出家フランソワ・ジラールが登壇した。
『猟銃』のチケット情報
この作品は井上靖による1949年発表の恋愛小説『猟銃』が原作。三杉譲介というひとりの男に宛てられた3人の女性の手紙で構成された書簡体小説で、彼の13年に及ぶ不倫が妻・みどり、愛人の彩子、愛人の娘・薔子の3通の手紙により浮かび上がる。中谷が演じるのは妻、愛人、愛人の娘の3役。セリフのない三杉役は俳優でダンサーのロドリーグ・プロトーが象徴的に演じる。シルク・ドゥ・ソレイユ『ZED』やNYメトロポリタンオペラの演出も手掛けたフランソワ・ジラールが、自身で監督を務めた映画『シルク』での中谷の演技に魅了され、彼女に白羽の矢を立てた。
中谷に本作の舞台のオファーがあったのは2006年。それまでも舞台の出演依頼はあったが「舞台の上に立つ俳優というのは身体能力に優れ、声のトレーニングも鍛錬された方でないといけない」と思い、断り続けていたそう。
しかし全幅の信頼を置くジラールよりこの作品の女性3役のうちどれか好きな役をひとつ選んでと依頼を受け、思わず「NOと言うはずが、3役すべて演じたい」