新生「ボリショイ・バレエ」東京公演『スパルタクス』で幕開け!!
エギナを当り役としているマリーヤ・アレクサンドロワは、底抜けに明るい性格で、緊張した舞台の空気を和らげつつ、トップダンサーとしての輝きがリハーサルを支配していた。
初日の本公演を飾ったのは、もちろんイワン・ワシーリエフ。踊るために生きている!そんな気迫が客席の空気を震わせる。そしてフリーギアの理想像を創り上げた、エカテリーナ・マクシモワを彷彿とさせる、スヴェトラーナ・ルンキナ。妖艶で野心家のエギナには、エカテリーナ・シプーリナ。かつて先人たちが、名演技を残した難役クラッススには、アレクサンドル・ヴォルチコフ。『スパルタクス』は、全ての幕に大きな見せ場がある。1幕は酒宴の場での、エギナとクラッスス、ローマ軍が繰り広げる「バッカナール」。
2幕冒頭にはスパルタクスと奴隷反乱軍の「アッピア街道」。そして3幕では、スパルタクスとフリーギアの愛のアダージオ。また、全幕に渡ってグループに分けられた群舞が対比しながら、凄まじい大音響のオーケストラの波に乗って、主役の置かれている立場を表していく。『白鳥の湖』とはまた違う、バレエの迫力や醍醐味で、新しい舞台の楽しみ方を養える『スパルタクス』を見逃さないで欲しい。