宝塚歌劇月組、トップコンビのラストステージが開幕!
また、狂言回しの重要な役割を担うのは、2番手の龍真咲。英国放送協会(BBC)のプロデューサー、ガイ・バージェス役で、登場人物の内面にも切り込みつつ、観客が混乱しないよう、物語をスムーズに伝えている。3番手の明日海りおは、デイヴィッドに振りまわされながらも、時には厳しく、優しい目線で見守る秘書役。明日海の柔らかい印象を生かしながら、皇太子へも臆せずストレートに発言する強さや、近くにいても役に立てないもどかしさを細やかに見せている。
第2部のショー『Misty Station』は、霧矢の旅立ちを想起させるシーンからスタート。霧矢扮する旅の青年Mistyがトランクと地図を手に、冒険へと出て行く。そこからは数々のダイナミックなシーンが展開。宇宙、ジャングル、アラビア、謎めく街など、色とりどりの世界を旅していくMisty。
中でも、ズラッと一列に並んだ月組生に囲まれ、中央で霧矢がひとり歌う場面や、黒燕尾に身を包んだ男役たちの一糸乱れぬダンスは壮観。思わずため息が漏れるほどに美しい。また、霧矢と蒼乃の息ぴったりのデュエットダンスはもちろんのこと、龍や明日海、今回同時退団する青樹泉、一色瑠加らにも見せ場があり、月組の圧倒的なパワーが堪能できるショーに仕上がっている。