元気をもらえる! ミュージカル『アニー』が今年も開幕
傷つきながらもアニーの力になりたいウォーバックスはアニーとともに両親を探し始めるのだが……。
ミュージカル『アニー』の魅力は何といっても子どもたち。初日前夜の27日に行われたトゥモロー組の公開リハーサルでは、アニー役の菊池や、孤児役、タップダンサーの子どもたちがのびやかな歌声と元気なダンスで楽しませてくれた。菊池の歌声は堂々としていて12歳とは思えないほど力強い。また、子どもたちの演技のうまさはもちろんだが、それ以上に、真っ直ぐな気持ちが伝わってきて、観ている側がパワーをもらえるのは『アニー』ならではだろう。共演する大人の俳優たちが子どもたちに向ける温かい表情も印象的だ。目黒祐樹が演じる仕事人間のウォーバックスが、人を愛する心を次第に取り戻していく機微は、むしろ大人の観客の方が感情移入しそうだ。デビュー30年目で初のミュージカルに挑んだ松本明子は、意地悪な孤児院経営者のミス・ハニガンを熱演し、ソロパートを見事に歌い上げた。
昨年に続き、彩輝なおが演じる秘書のグレースとミス・ハニガンのやりとりからは、穏やかな会話の中にも相手への反感がちらりとみえ、シンプルなストーリーの中にも奥行きのある面白さが感じられる。