絶大な人気を誇る恋愛アドベンチャーゲームの舞台作品が待望の再演
和の情緒たっぷりのセットに、作品のモチーフである紅葉が効果的に照らされている本舞台。そこから客席へは花道が垂直に伸び、登場人物が何度も走り抜けるために、観客はオープニングからたちまち作品の世界に引き込まれる(キタムラトシヒロ脚色・演出)。花梨を演じる平田は“迷いながらも戦いに挑む等身大の女子高生”を嫌味なく演じ、ファンタジーの世界にあって観客の共感を誘うことに成功。アクラム役の汐崎も、この世の者ではない妖しい雰囲気を漂わせてハマり役だ。
八葉の面々はゲームさながらの美形が揃い、芝居にアクションにと活躍する姿を見ているだけで楽しい。まさにお気に入りのキャラクターを見つけてプレイする、原作と同じ快感が味わえる。中でも戦いに葛藤する源頼忠役の成松慶彦、平和の尊さというメッセージを背負う彰紋役の植田圭輔、気障な海賊・翡翠役のJINの存在感が印象的。花梨と八葉を見守る紫役の中島はいかにもたおやかな姫という風情で、劇中にアクセントを加えていた。
上演時間は15分の休憩時間を挟んで2時間30分。その間は花梨と共に、異世界を思い切り堪能できそうだ。公演は6月3日(日)まで、同所にて開催。チケットは発売中。
取材・文:佐藤さくら
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