新生月組のお披露目公演『ロミオとジュリエット』が開幕!
両家が憎しみ合い対立する、緊張感のある空気の中で、まるでオアシスのような存在だ。だからこそ、後半のティボルトに対する怒りや、ジュリエットの死を聞いたときの失望感が強く浮かび上がってくる。同じく娘役トップスターに就任した相手役の愛希(まなき)れいかも、真実の愛を求めるジュリエットを初々しく、強い意思をのぞかせながら演じている。一方で、ティボルトを演じた明日海は、荒々しさの中に影を潜ませて表現する。柔らかな印象を持つ明日海が、新境地を開いたともいえるほどのハマりっぷりだ。役替わりで龍と明日海がどう演じるかも気になるところ。
また、ロミオの親友ベンヴォーリオを演じる星条海斗(せいじょう・かいと)、マーキューシオの美弥(みや)るりかは、安定した演技、歌唱力を発揮。新生月組を支える柱として、今後の活躍にも期待したい。
フィナーレは、『ロミオとジュリエット』の代表曲をアレンジしたショーを展開。明日海を中心とした若者たちのナンバーや、群舞、デュエットダンスなど、短いながらもイキイキとしたダンスが楽しめる。本編もショーもこれまでの星組、雪組とはまた違った、若さあふれる『ロミオとジュリエット』に仕上がっている。