武器の代わりに想像力を! 『クリンドルクラックス!』が伝えること
イギリス人作家フィリップ・リドリーによって書かれた舞台『クリンドル・クラックス!』、その翻訳上演が7月28日(土)から東京・世田谷パブリックシアターにて行われる。画家として活躍する一方、『柔らかい殻』『聖なる狂気』などの映画を監督し、演劇作品『ピッチフォーク・ディズニー』『宇宙でいちばん速い時計』『ガラスの葉』が日本でも上演されてきたリドリーだが、この作品は他と異なるテイストらしい。手がかりを得るために稽古場を訪ねた。
『クリンドルクラックス!』公演情報
主人公の気弱な少年ラスキンが、様々な困難に打ち勝ち、真の“勇者”へと成長する姿が描かれる。人間のダークサイドを暴き出すのが得意な作者にしては、意外なほど純真なストーリーといっていい。おまけに、魔獣ドラゴンとの決闘、というファンタジックな展開も用意されている。聞けばリドリーは「子どもの本を書くことがすべての仕事の源」というほど児童向けの作品に力を入れており、本作も最初は童話として発表されたという。
「僕も最初は童話で読みました」と話すのは、演出の陰山恭行だ。
「でも、戯曲があると知って自分で訳して読んでみたら、実は大人向きなんだな、ということがわかった。