『樹海』開幕! 鈴井貴之が2年ぶりの舞台に込めたものとは?
TEAM NACSが所属する芸能事務所・クリエイティブオフィスキューの会長であり、北海道発のバラエティ番組『水曜どうでしょう』の“ミスター”としても知られる鈴井貴之。彼が2年ぶりに作・演出を手がける舞台『樹海 -SEA of THE TREE-』が、10月6日、東京・ル テアトル銀座 by PARCOにて初日の幕を開けた。
それぞれの事情を抱え、樹海へとやって来た4人の自殺志願者たち、佐々木(岡田達也)、リエ(佐藤めぐみ)、齋藤(井之上隆志)、高橋(石井正則)。偶然同じ場所で出会った彼らは、自分こそここで死ぬのだと、お互いに譲る気配がない。そこでこの場所で死ぬのに最もふさわしいのは誰か、それぞれが自殺を決意するに至った経緯をプレゼンすることに。
自らの命を絶つため、年間数百もの人々が訪れるという樹海。そんな樹海を舞台にしながらも、ステージ上で繰り広げられる4人のやり取りは、どこか間が抜けており、滑稽である。それは彼らが各々の人生にうちひしがれてはいるものの、どこかに人間くささを残しているからではないだろうか。
“死”を望みつつも、自らの思いを吐露することで露わになっていくのは、“生”に対するどうしようもないほどの執着。