くらし情報『プッチーニの美しい音楽がいろどる小悪魔少女の悲劇』

2015年3月9日 16:30

プッチーニの美しい音楽がいろどる小悪魔少女の悲劇

の悲痛な叫びなど圧巻だ。

デ・グリュー役のグスターヴォ・ポルタ(テノール)も、持ち前の強くて艶のある声を存分に響かせる。情熱的な歌唱は、たとえば第3幕終盤の短いがひときわ印象的な「見てください、僕は狂っている」の狂おしい心情にぴったりだし、終幕の二重唱では最高音のドもばっちり聴かせてくれた。

白を基調に、具象を最小限に抑えたシンプルな舞台装置の中で、衣裳やメイクで登場人物の属性が示されている。マノンを妾にする金満家ジェロントの顔は白塗りだ(!)。気持ち悪い動作や歌い口と相まって老人のスケベ度を強調しているよう。演じる妻屋秀和(バス)の芸達者ぶりに拍手。

マノンの兄レスコー役のダリボール・イェニスの二枚目のバリトンは、常に妹の幸せを優先して行動するレスコーの、ある意味の一途さにふさわしい。
第1幕で学生とトランプに興じる彼のカード捌きも隠れた見どころ!

デ・グリューの友人エドモンド役の望月哲也は、ほれぼれする美声で第1幕の若々しい雰囲気を盛り上げる。新国立劇場合唱団(合唱指揮:三澤洋史)の熱演とともに見逃せないポイントだ。

上演時間は、第2幕後の休憩を含めて約2時間40分。21日(土・祝)までに5公演が行なわれる。

文・宮本明

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