と笑う。
その紋次に若き日に見初められ、女優へと押し上げられていくのが、黒島演じる芹沢蘭だ。倉持はふたりの関係性について「紋次はスターを作ることで自分の力を誇示したかったけれど、蘭は最初、そこまでやる気を持っていなかった。ところが、実際にスターになってみると、蘭に自覚が芽生え、狡猾になっていくのに対して、紋次は、自分の掌の上で蘭を転がしていたはずなのにと、ふと我に返る。関係性が逆転するさまを描けたらと思っています」と説明。
黒島が「今回が初舞台ですし、20代から40代までを演じるのも初めて。不安はありますが、楽しみのほうが大きいです。ただ、私がこの時代に生まれたら、女優もやっていないだろうし、すぐにつぶされていたと思います。
今の仕事も初めから目指していたわけではなく、やり始めてからがんばろうと思ったくらいで、流れに身を任せるタイプなんです」と言うと、倉持は「蘭とのイメージと重なります。思い切り演じてほしい」とエールを送った。
倉持によれば、『虹とマーブル』というタイトルには「どん底かてっぺんか、その立場による物の見え方の相違が表されていて、観劇後にその意味が分かる仕掛けになっている」