バレエやオペラでも有名なアベ・プレヴォ作「マノン・レスコー」を、20世紀初頭のフランス領インドシナに置き換えた宝塚大劇場公演『舞音-MANON-』。月組トップスター・龍真咲(りゅう・まさき)は、美しい踊り子・通称 舞音(マノン)に翻弄される青年シャルルを演じる。「こんなに泣くのは初めて、というぐらいマノンへの愛を貫き通します!」と言い切る龍。余韻溢れる悲恋ものが誕生しそうだ。
宝塚歌劇月組 チケット情報
「今回の見どころのひとつがアジアンテイストです。ニューヨーク在住の韓国人作曲家ジョイ・ソンさんの音楽は、どこか懐かしい音色で魅力的。セットには本物の竹を使います」。最近物語の舞台、ベトナムのハロン湾まで足を運び、稽古着用のアオザイも作ってきた。
「植民地時代の建造物などに歴史を感じました。ベトナム人の方が書かれた詩集がまた素敵で、ロマンティックな中に真実味があり心打たれました」
男役の美弥るりかが“もう一人のシャルル”として登場し、リアルな感情を表現していく劇構造も面白い。「もう一人のシャルルは、エリート将校であるがゆえに閉ざしてきたものを解放している人。その彼に、私が演じるシャルルもマノンと共に惹かれていくんです」。