憧れの舞台で毎年研鑽を重ね、『かすていら~』は彼女にとって、5本目の主演作品となる。
「私が演じる『都子』は活発な女性。言いたいことははっきりと言うタイプの人ですね。物語に政治が絡むとなると、難しいのかなと思われる方もおられると思うんですけど、この作品はとても軽やか。たくさん笑って、ほっこりした気持ちで帰っていただけるような、そんな作品になっていると思います」
シチュエーション・コメディは、演じ手側が狙って笑いを取りにいくのではなく、ただひたすらに一生懸命な姿を見せることこそが肝要だと語る彼女。『まれ』ではこんな体験をしたそうだ。
「クランクインする時、監督に『(頑張らないと)埋もれちゃうからね」って言われたんです。君がはっきりと『陶子さん』としてそこに立たないと、みんなに負けてしまうからねと。
ビビっている暇はなかったですね。撮影期間中はずっと、背中を叩かれ続けているような思いでした」
彼女は今はっきりと、女優としての成長期にある。その成果を丁寧に磨きあげて、この舞台に乗せる覚悟だ。
「去年いらしてくださったお客様には『あ、ちょっと変わったな』と思っていただきたいし、『まれ』で私を知ってくださった方には『こんな顔もあるんだ』と思っていただきたい。