多くの人に元気を与えられる役だと思います」。また、直訳すると「多くの男たちは私をケアしてくれたけど、彼らは私の背中を引っ掻いているだけ。私もね」など、ロキシーとヴェルマが歌う楽曲の歌詞はシニカルで洒落ている。「私はブロードウェイで何回も見ましたが、観客はいつも歌詞やセリフを聞いて大笑いするんです。私もその皮肉たっぷりのユーモアを伝えられたら」
さらに、ボブ・フォッシーの振付を元にした、アン・ラインキングによるセクシーな振付も素晴らしい。彼女はフォッシーの元恋人で、20年前にブロードウェイでロキシーを演じた。「振付の全部に意味があるんです。ヘタな装飾は一切なく、今、ここでこう感じているから体が動くといった踊りです」
1996年にブロードウェイで開幕したリバイバル版の『シカゴ』は、今でもロングランを続け、今年で20年目を迎える。
その節目の年に、宝塚歌劇OGバージョンの今作が、ニューヨークのリンカーン・センター・フェスティバルでも上演されることになった。「今、ブロードウェイの最新の振りを教わっています。芝居や歌を含めすべて無駄なものが削ぎ落され『シカゴ』は進化し続けている。それがブロードウェイで20年間も愛されている理由ですね」