という。また、次期雪組トップスターに決まった望海風斗扮する高杉晋作との芝居も。「佐平次は町人、高杉は武士で身分的・立場的な違いはあるけれど、気持ちとしては同等で最終的に尊重し合う」という間柄。温かな場面が生まれるだろう。
『Dramatic“S”!』は早霧の頭文字でもある“S”をキーワードに展開するショー。といっても早霧が何か要望を出すことはなかった。「私は自分の限界を作りたくないので、先生方が私のために用意してくださるものを“料理して出す”のが仕事だと思っています」と潔い。そんな中注目なのが、早霧がよくカーテンコールで行う掛け声である“絆”をテーマにしたシーン。
「“皆の温かさを忘れないよ”というメッセージの中で、組子ひとりひとりと目を合わせていくようなシーンに。とても照れくさいです」と、照れ隠しのように大きく笑う。
細身の端正な容姿とは裏腹に、豪快で大胆な役作りでファンの心を捉えて離さなかった早霧。「フェアリータイプとか言われても自分としてはそちら側ではなく、いわゆる男性に見える男役になりたかった。今があるのは、自分の想いが貫けたからだと思います」。稀代の演技者・早霧ならではの最後の男役像を見届けたい。