くらし情報『特別講義に霧矢大夢が登場。『この熱き私の激情』を翻訳者と語る』

特別講義に霧矢大夢が登場。『この熱き私の激情』を翻訳者と語る

再びその世界に向き合った松本は、「ネリーは、美しくならねばならない、若くなければいけないと、いろんな“ねばならない”を抱えて、自分をがんじがらめにしていた人。悲痛な叫びがより強く聞こえてきた」と話す。

女として生きることのそんな葛藤や抑圧は、「ネリーほど極端でなくても、どんな女性も感じること。女性としての自分の存在意義を問う瞬間って、どなたにもあると思うんです。だからこそ、舞台ではそこを探求していきたい」と語るのは霧矢だ。だが、「ただ痛みを表現するだけの作品ではない」とも強調する。舞台では、6人の女優とひとりのダンサーが、ネリーが抱え小説に著したテーマをそれぞれに表現することになる。霧矢が担うのは、亡き姉や家族など血縁を語る“血の女”だが、「一人ひとりの女優が放つものによって、闇の中に光が見えたらいいなと思うんです。
演劇のすばらしさはそこにあると思うので」。松本も付け加える。「ネリーは自ら死を選びましたが、生と死は表裏一体、それだけ生きたいというエネルギーが強かったんだと思います。その人生は一瞬一瞬が光っていたのではないでしょうか」。身をもって生きることを問いかけたネリーのその激しい魂は、この日の会場を早くも震わせていた。

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