裁判傍聴芸人・阿曽山大噴火が語る法廷劇「テロ」の魅力とは
ケータイの電源はOFFで、私語も居眠りも禁止という観劇と同じルールを課せられ、一歩引いた立場で見てる存在。実際の裁判はそうなんです。
しかし、この「テロ」は観客に判断を委ねます。エンディングが有罪になるか無罪になるかは、観客次第。もう他人事ではいられないんです。さらに、扱われる事件はテロ。現代に生きる者として逃れることを許されないテーマ。もはや、フィクションの壁を取っ払った「法廷の舞台」なのです。
1月からいよいよ「テロ」日本初上演が始まるわけですが、個人的には、どれくらい本当の裁判に近いのかをきっちりと見極めたいですね。原作を読んで素直に思ったのは、「否認事件の割に随分サッパリしてるなぁ」なので。普通の否認事件ならもう少し長めにしっかり審理するでしょ。それが世間的にも大騒ぎになってそうな事件で、被告人質問と情状証人と遺族の証人尋問も結構コンパクトですからね。
と言っても、日本の裁判しか傍聴したことないんでドイツの刑事裁判は知らないですけどね。実際、役者の動きや発するセリフ、舞台上に置かれたセットを見れば、そんな細かいことはどうでもよくなるのかもしれませんね。ただ、自分としては、舞台を見た回数より実際の法廷を見た回数の方が多いので、こだわって観たいかなぁと。