珠城りょう撮影:三上 富之
1996年の初演より観客動員240万人を誇る宝塚歌劇団の代表作『エリザベート -愛と死の輪舞(ロンド)-』を、月組が2年ぶりに再演。10代目のトート=黄泉の帝王 (死)を演じる月組トップスター・珠城りょうは、先輩の公演をリスペクトしつつ、「枠にとらわれず作っていきたい」と大作に冷静に挑んでいる。
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2009年の月組公演にも出演した珠城だが、ウィーンで生まれた本作の魅力を資料などから改めて追究。「本来(原作者が)この作品を通して何をお客様に伝えたかったのか。原点を考えることで、トートの見え方も違ってくると思いました」。オーストリア皇后エリザベートを愛し、死へといざなうトート。「トートという存在は、エリザベートから生み出されたもの。彼女が恐怖を感じ、死にたいと思った時にトートが現れる。
ルドルフともそうですが、相手と密につながっている存在なのだと分かってきました」
エリザベート役は、本作で退団するトップ娘役の愛希れいか。一期違いで長年切磋琢磨してきた愛希とはこれまでと同様、役作りの細かい話はせず、「お互いの空気を読み取りながら作っている」