くらし情報『人間の光と闇を描く『ノートルダムの鐘』、京都公演開幕』

人間の光と闇を描く『ノートルダムの鐘』、京都公演開幕

鐘楼にこもって鐘をつき、青年となったカジモド。外の世界に憧れる気持ちを、石像たちに語りかけ、歌う『陽ざしの中へ』。1年に1度の道化の祭りの日。飛び出した街で、カジモドは美しいジプシーの踊り子・エスメラルダに出会い、恋をする。フロローは彼女に邪悪な欲望を抱き、戦場から赴任して来たハンサムな警備隊長・フィーバスも心奪われる。3人の熱い視線がエスメラルダに注がれ、交錯し、スパークする…。

エスメラルダを軸として展開する4角関係の愛を描いた物語。人間を容姿や地位だけで判断してはいけないというテーマ。
それが『ノートルダムの鐘』と観ていたが、ドラマはもっと深く人間の光と闇をあばき、4人それぞれの苦悩を、そしてその「宿命」をくっきりと浮かび上がらせる。名古屋公演の折、海外クリエイティブスタッフが来日して作品をブラッシュアップした。キャラクターはより生き生きと、関係性を際立たせ…。その成果は物語全体に確実に表れている。が、「こんなシーンがあった?」と思うほど違う印象。合唱の素晴らしさに、そして作品の核の部分に触れた2度目。この作品は2度観の効用が体感できる。

公演は2020年1月19日(日)まで京都劇場にて上演中。


取材・文:高橋晴代
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