たち、人気声優ゆえの高橋(広)の疲れ切った演技など、普段の彼らの姿がそこにあるようだ。
個性の強い彼らによって繰り出されるテンポのいい掛け合いは、もはや自然すぎてアドリブにも見えてしまう。例えば取り留めもなく言い合いするシーンなどは、本当にふざけ合っているように見えて、その楽しい雰囲気だけで笑わされてしまう。現場をよく知るベテランたちのよもやま話などアフレコ現場ならではの“あるある”も次々と飛び出し、爆笑の連続だ。
そんな笑いの中にあって圧巻なのは、台本を片手にマイクの前で入れ替わり立ち替わり台詞を言うアフレコシーン。キャラクターに命を吹き込むように声色を駆使した台詞回しはさすがの大迫力。本物のアフレコを見ているようで、現場の緊張感も伝えてくれる。
制作陣からのムリな注文や、各々の仕事やキャラクターへのこだわりからくる軋轢、新人が抱える悩みなど、アフレコの合間に起こるいろんなハプニングを経て、作品が完成していく。
コメディとして大笑いしながら、声優たちのドキュメンタリーとしても楽しめる作品だ。
時速246億「お静かにどうぞ」は9月1日(日)までシアターサンモールにて上演。当日券の整理券は、開演1時間前から30分前までに劇場入口にて配布される。
取材・文:門 宏