笠置シヅ子の半生を描く壮大な音楽劇に神野美伽が挑む
「このお話をいただいたとき、4、5年でやってきたことがとても役に立ったと思います。“どれが神野さんですか?”と問われたら、“全部自分です”と答えられます。芝居の中で歌うという音楽劇は初めてですが、楽しみです」。
コンサートさながらの構成で、14歳から67歳までの笠置シヅ子を変幻自在の声色で演じる。「なかには音源が何ひとつ残されていない楽曲もありました。服部良一先生が笠置さんのために書かれたある意味での反戦歌で、笠置さんが歌っていたらしいと云われていたのですが。それをある日、本公演スタッフが譜面を見つけてきたんです。鉛筆書きで、譜面も茶色くなっていて…。
その楽曲も本作の大きな軸になっています」。
今、なぜ笠置シヅ子なのか。「笠置シヅ子さんという歌手と、服部良一さんという音楽家を通して今の時代に伝えたいメッセージがたくさんあります。それは、こういう歴史があったんだということ。自分の中から沸いてくるエネルギーをがむしゃらに表現すること。そういうものが今の時代には欠けていると感じて」と神野。だからこそ、「この作品によってエネルギーをチャージして、明日からの活力にしてもらいたい」との思いを込める。