音を見ろ。見えないものを観る、鼓童×ロベール・ルパージュ公演
今回はそこにロベールさんによるテクノロジーを使った演出を掛け合わせ、作品をつくっています。そのふたつは真逆の存在のようですが、テクノロジーが入ることで逆に生身の人間が浮き彫りになっていく、より強くお客様に伝わっていくものを作りたいと思っています」、ロベールは「かねてから私は鼓童の作品づくりに感心していました。厳しさと規律の中に身を置きながら鍛錬されている。鼓童のステージは、音だけでなく動きや身体、そしてそこから発するエネルギーまでもが表現されています。今回は“音”と“イメージ”のインタラクティブな作品ですが、それだけでなく、その“動き”も取り入れています」と語った。
その後、「音を見る(サイマティクス)」をテーマにしたライブパフォーマンスを初お披露目。住吉が「サイマティクスという事象をただ再現するのではなく、自然の中から生まれる音、文明の中から聞こえてくる音、自分たちの鼓動の音、魂の音、そういったものがすべて可視化できるかどうかが鍵になってくるのではないかと思っています」と語った通り、映像と音をただ掛け合わせるのとは違う、鼓童の太鼓、そしてその奥にある本質的な魅力が、テクノロジーによって可視化されるような、これまでにない表現が印象的。