くらし情報『五十嵐啓輔「大切に届けたい」 命の物語『Zoo-Z the STAGE』開幕』

五十嵐啓輔「大切に届けたい」 命の物語『Zoo-Z the STAGE』開幕

メインキャストは、化人、人間合わせて総勢20名。「動物園」の刑事たち、新宿に集う若者グループ「Squad」、新宿の街を仕切る「虎狼会」、化人たちのオアシス「喫茶キバタン」、正体不明の何でも屋などが、動物の本能や各々の運命に翻弄されながらも、必死に命に向き合う姿が感動を呼ぶ。

劇中に流れるオリジナルソングが名シーンを熱く盛り上げ、また高低差を活かした巨大な舞台装置も見ものである。メインステージ、下段、そして仰ぎ見るほど上空にある最上段の3つの階層でドラマが次々と展開されることで、舞台でありながら映画にも似たテンポの良いシーン展開と、新宿の街に差迷い込んでしまったかのような臨場感を叶えている。

人間には理解できない「本能」を秘めているがゆえに、社会不適合者の烙印を押され、生きずらさを抱えて新宿へと流れ着いた化人たち。「普通になりたい」「どうして私だけが一人なの…」「死んでしまいたい」。そんな叫びは、厳しい現代社会に生きる我々人間の嘆きにも重なり、「命の物語」として展開していく。初演に先立って行われたゲネプロの最後、藤堂礼央を演じた五十嵐圭輔は、深々と頭を下げ、カンパニーを代表してコメントを残した。

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