熱いビートと華丸の新鮮な魅力に、身も心もスウィング!
五代の元妻でジャズシンガー、今は羽世保市長でもある桐野亜沙子(大空ゆうひ)と五代が再会する場所でもある。1幕のクライマックスは、「タップダンスは世界一の打楽器だ」と言うある初老の男性(坂本あきら)の提案で、和太鼓部とタップダンス部が、パフォーマンスバトルを繰り広げる。ここで語られる「黒人たちが生んだ魂の叫び」というタップのルーツにもぐっとくるものがある。
また、華丸も「大好き」という2幕の見せ場は、亜沙子の歌とともに紡がれるシークエンス。五代と家族のドラマ、工員たちの人間模様、会社の吸収合併の裏に潜む策略、丸本(斉藤優)と美咲(南沢奈央)の恋の行方などが、立体的な舞台空間ならではの演出で重層的に展開し、視覚的にもドラマティックだ。華丸が昨年10月からコツコツ練習してきたタップダンスも、カーテンコールでしっかり披露。ミュージック、パフォーマンス、ヒューマンドラマが混然一体となった舞台の興奮と感動に、終始引き込まれた。
福岡公演の後には、初の大阪公演も控えている。
華丸は「大阪で上演できるなんて、恐れ多い」と恐縮しつつも「日に日に完成度が高まり、何度見ても楽しめる舞台。一度ご覧になった方も二度、三度、そして、大阪の皆様もぜひ劇場へ足をお運びください!」