渡辺大知「新しいものとの出会いの場に」 ミュージカル『INTO THE WOODS』に出演
登場人物をただのキャラクターとして理解するのではなくて、もっと物語の構造を考える必要がありそうです」と話した。
本作の楽曲を担うのは、『ウエスト・サイド物語』や『スウィーニー・トッド』などを手掛け、“難解”な曲で知られるスティーヴン・ソンドハイム。渡辺に楽曲の印象を尋ねると、「難解って言われる人なんですか」と切り返しつつ、「なぜこういうメロディになっているのか。そのメロディが気持ちいいのか、気持ち悪いのかも分からない、不可思議さは感じました」と振り返る。そして、「正直歌いにくいと思ったけど、それが楽しかったです」とも。
演劇作品は本作で4作目。「僕が今までの少ない経験で思う、舞台の素晴らしさは、明確なゴールがない中で、みんなで土ならしから、家を建てるところまでやりきる感覚があること。完成図がすぐに思いつくようなものを再現するのは、あまり楽しくないので、どうなるか想像がつかない方が、ワクワクします」という。
観客へのメッセージを求めると、渡辺は「人との関係性が失われている時代だからこそ、いろいろなものを感じる時間や刺激を大切にしたいと思っています。舞台を見に来てくれた人にとって、この舞台が新しいものとの出会いの場になれば嬉しいです」と述べた。
取材・文:五月女菜穂