松たか子「素直に尊敬します」 父・白鸚最後のミュージカル『ラ・マンチャの男』上演へ
役としても、俳優・白鸚としても、その心を失わないようにやってまいりました」と話し、「長きにわたりこの作品を上演できたのは、東宝と松竹の皆様、スタッフ・キャストの皆様方、家族、友人たちのおかげだと思っています。本当に自分は俳優として、人間として幸せ者です」と感謝の言葉を口にした。
今回は、白鸚の娘で女優の松たか子が、2012年の公演以来、久しぶりにヒロイン・アルドンザ役を務める。50年以上同じ役に向き合い続けた父に対して、松は「同じ役をやり続けること、そしてやり続ける役に出会うことは、恐怖でしかなくて。素直に尊敬します」と話す。「私はまだまだ父のようにはなれないし、できればそういう役に出会いたくないと、ぐずぐず思っている。でも、役があって、舞台があって、見る方がいるからやる。とてもシンプルな姿を父を通して見せられている気がします」とも。
また、白鸚は弟の中村吉右衛門さんが11月に亡くなったことについて、「別れというのは、いつでも悲しいものです。たった一人の弟でしたから」と思いを語る。それでも、「いつまでも悲しみに浸っていてはいけないと思います。それを乗り越え、はね返して、(劇中で)『見果てぬ夢』を歌いたいと思います」