撮影:石阪大輔
アーサー・ミラーの代表作『セールスマンの死』を、世界初演となった『FORTUNE』(20年)の衝撃も記憶に新しいショーン・ホームズが演出。4月に幕を開ける。そこで主人公のウィリー・ローマンを演じる段田安則と、ウィリーの息子ハッピー役の林遣都に話を訊いた。
競争社会へと突入していったアメリカで、セールスマンとして懸命に働き、妻と自慢の息子ふたりという幸せな家庭を得た平凡なひとりの男。だが…というのが、段田演じるウィリー・ローマン。そんなウィリーにとって“家族”とは、“仕事”とはどんな存在だったのか、段田に聞くと…。「自慢の家族だったと思います。ただ自分の息子はこんなもんじゃないと、現実を見ようとせず、理想の方に傾いていないと生きていけない。
それは自らの仕事にも同じことが言えて。誇りを持って働いてはいたけど…みたいな。だからこそ最後、ああいうことになってしまったのだと思います」
かつては人気者だったが現在は定職にもついていない長男のビフと違い、女性にモテ、そこそこ器用に生きてきた次男のハッピー。そんなハッピーについて、「小さい時から父親がビフに寄せる期待や、ある種の甘さを一番間近に見てきたと思うんです。