1142名から選ばれた入選作を展示 『FACE展 2022』開催中
グランプリ 新藤杏子 《Farewell》 2021年 油彩・キャンバス 162×194.5cm
新進作家の動向を反映する美術作品の公募コンクール・FACE展。その10回目となる展覧会『FACE展2022』が、3月13日(日)まで、東京・SOMPO美術館にて開催されている。“年齢・所属を問わない新進作家の登竜門”を掲げるFACE展らしく、今回出品されたのは、8歳から94歳までという幅広い年代による1142作品。そこから長時間に及ぶ審査を経て入選した、83点が紹介されている。
会場に足を踏み入れた途端、心が浮き立つような感覚を味わった。もちろん本展は新進作家のための公募展であり、彼ら、彼女らのアーティスト人生を左右する厳粛な場でもある。またコロナ禍も影響しているのか、作者の不安や鬱屈した想いがにじみ出ているような作品もある。だが展示空間の大半から感じられたのは、自分が作りたいものを作るんだという、創作に対する前向きな想い。
そこにはアートとはこうあるべき、といった堅苦しさは皆無であり、それぞれの作品が伸びやかで、緻密で、自由で、オリジナリティに溢れ、アートを存分に楽しんでいる、ということをひしと感じられる。