今年90歳の岸惠子が語る“いまを生きる”ということ
カメラマン:石阪大輔
スクリーンデビューから70年以上を経た今も、俳優にとどまらず、作家、ジャーナリストとして活躍する岸惠子。そんな岸が、コロナ禍により中止になっていたスペシャルトークショー『いまを生きる』をついに開催する。この夏で90歳を迎える彼女が、今どんなことを語ろうとしているのか。その胸の内を合同取材会で語ってくれた。
24歳での結婚を機に、フランスを拠点に活動するようになった岸。その視点はまさにグローバルで、今彼女が最も注視するのがロシアによるウクライナ侵攻だ。「ウクライナの人って、すごく強いと思うんです。国に対する愛と信仰で、あそこまで戦うことが出来る。
けれど私は、ロシア人のいいところもいっぱい知っているんですね。その優しさと明るさ、そして素朴な人のよさ。そんな彼らが、なにがなんだかわからないうちに戦いに駆り出され、死んでいくっていうのはものすごく虚しいことだろうなと。その一方、一生の半分以上をヨーロッパのど真ん中で暮らしてきた私からすると、日本の人たちはあまりにものんきに思える。そんなこともお話出来たらと思っています」
1968年に起きたチェコスロバキアの民主化運動「プラハの春」