今しかできない若さと表現 舞台『BLINK』上演中
撮影:阿部章仁
舞台『BLINK』があうるすぽっと(豊島区立舞台芸術交流センター)にて上演中だ。
1977年生まれの英国の劇作家フィル・ポーターによる『BLINK』(瞬き、きらめきの意味)は、ジョナとソフィという2人の登場人物が一風変わったラブストーリーを紡いでいく作品。2012年にロンドンで初演され、大ヒットを記録。日本初演となる今回、はかなく切ない青春を描いた本作に相応しく、若手演出家の荒井遼と若手俳優4人による上演が実現した。
世間知らずで一途なジョナ(西村成忠/広田亮平)と、なかなか自分の存在を認められないソフィ(湯川ひな/黒河内りく)。二人は偶然にも同じような人生経験をしている。二人とも最近、親を膵臓がんで亡くしたのだ。自給自足の宗教コミューンで育ったジョナは、コミューンを抜け出し自立しようとする。
父を亡くして一人ぼっちになったソフィは、悲しみを吹っ切ろうと父の部屋を改装して貸すことにする。やがてジョナがその部屋に引っ越してくると、二人の“出会わない”奇妙な関係が始まり、やがて惹かれあっていく......。
開幕を前に行われたゲネプロ(総通し舞台稽古)を観た。本公演は二人芝居を2ペアで上演するが、広田亮平と黒河内りくによる回だった。