くらし情報『市民が創り上げた珠玉のコレクション152点が来日』

市民が創り上げた珠玉のコレクション152点が来日

「ピカソとその周辺――色と形の解放」では、パブロ・ピカソ《アーティチョークを持つ女》を展示。一般公開に先立ち開催されたプレス内覧会のギャラリートークで、ルートヴィヒ美術館のイルマーズ・ズィヴィオー館長は、「私共のコレクションの中でも、“ハイライト”と呼べるような作品をお届け出来て嬉しい」と語っているが、本作はその言葉を象徴する一作と言える。さらに館長は「こちらは《ゲルニカ》と同じ1941年の作で、テーマも同じ“反戦”。今現在、ヨーロッパで戦争が起きている中、私共がこの絵を貸出させていただくことには意味があると思っております」と続けた。

「ポップ・アートと日常のリアリティ」では、ルートヴィヒ夫妻が短期間で爆発的に収集したというポップ・アートを紹介。アンディ・ウォーホルを始め、ジャスパー・ジョーンズやロイ・リキテンスタインなど、日本でも人気の高い作家陣の作品が並ぶ。また最後を締めくくる7章「拡張する美術――1970年代から今日まで」に展示されているカーチャ・ノヴィツコヴァ《近似(ハシビロコウ)》は、場内で唯一撮影可能な作品。SNSを想定した一作で、鑑賞者の行動によりさらなる広がりを見せる、まさに今を生きるアートとなっている。


取材・文:野上瑠美子
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