日本演劇界の不朽の名作『女の一生』。森本薫が文学座に書下ろし、終戦直前の1945年に初演、杉村春子が主人公の布引けいを947回も演じたことで知られる作品だ。今回、2020年に段田安則の演出で杉村の当り役を大竹しのぶが演じた舞台が再演、初演時は公演中止となった京都・南座に2年を経て登場する。物語は、1905年から1945年までの40年間。孤独な少女だった布引けいが堤家に拾われ、その後長男の妻となって家業を守り成長、明治・大正・昭和とふたつの戦争を経て激動の時代をたくましく生き抜いていく姿を描く。京都・南座は初出演の大竹が来阪し、意気込みを語った。
「女の一生」チケット情報
「歌舞伎の人たちがすごく愛している劇場に立てるだけでうれしい」と、2年前に来るはずだった南座への初出演を喜ぶ大竹。初演時は「最初はどこか、杉村さんの代表作に挑戦する気持ちがあったかもしれないですが、稽古していくうちにだんだん自分のものになっていって。
今は、もっともっと自分のものとして向き合える気がしているので、初演よりもっとおもしろく深くなっていく、と断言します(笑)」。出演は、堤家の長男に段田、次男は高橋克実、ほかに銀粉蝶、風間杜夫ら実力派がそろう。