売れない漫画家・ムラオカの前に、「ゆう」と名乗る女性が現れた。彼の友人や担当編集者、年の離れた妹、人気俳優と、ムラオカの周囲が大きく動き始める。これはゆうと関係があるのか、そしてムラオカはどうなってしまうのか……?
コメディの中にさまざまな要素がぎゅっと詰まった、まさに“全部のせ”SF青春ラブサスペンスミステリーコメディ『きみ、僕の世界のなんなのさ』。作・演出の善雄善雄は「つらい現実だとか、停まらない戦争だとか、嫌なことだけを描いても何も変わらない気がしてきた。世界は変えられる可能性がある、と提示してみたい」。そんな思いで書き上げた脚本は、出演する俳優たちに大きな刺激を与えたらしい。
美ツ海を演じる三津谷亮は、「本当に自由に、僕自身がやりたいことをやったうえで取捨選択をしてくれるので、自分がやっている意味がある。こういう余白のある作品をやりたかった」と、のびのびと稽古に取り組んでいる様子が伝わってきた。
ゆうを演じる多田香織も、「自分が自由に芝居をしている時が楽しいし、作品そのものが自由に創られていく姿を見るのが好き。今回の作品にすごく期待しています」と語る。
そんなふたりの笑顔を見て、善雄は「おふたりに限らず全員感度が高いので、最初に脚本を読んでもらった時に『全部正解』だと思えた」