ソングサイクル・ミュージカル「雨が止まない世界なら」in Concertライブレポート
を昆夏美が軽やかに歌い上げたかと思えば、鈴木壮麻が「知ろうとしない」で会場を怪しげな雰囲気で包み込む。
西川大貴が歌う「舟を漕ごう」は、雨が止まない世界に新たに出来た職業・水上タクシーの運転手が主人公。ソングサイクル・ミュージカルということで、同じ"雨が降り続ける世界"の中で生きる様々な主人公が登場するのが本作の特徴だ。
病室の窓から変わっていく世界に希望を見出す少女の歌「海に潜ったクジラ」では、コンサートながら清水美依紗が演技力溢れる歌声で圧倒。
一方、“もう進みたくも変わりたくもないの本音は変わってしまう事が多すぎて”と、急速な周囲の変化に追いつけない気持ちを吐露する楽曲「東京漂流」は、咲妃みゆが涙ながらに力強く歌唱した。
コロナ禍での社会の変化はもちろんのこと、世界情勢の変化、SNS等で他人の変化を感じることも多い現代の私たちにとって、本作には他人事とは思えない歌詞が詰まっている。多様な楽曲の中から、自己投影できる一曲が見つかるはずだ。作詞・構成は、ミュージカル『ミス・サイゴン』トゥイ役など俳優としても活躍する西川大貴。
作曲・音楽監督はジャズ・ピアニストの桑原あいが務める。