ロームシアター京都の「レパートリーの創造」で松田正隆が2作を連続上演!
『シーサイドタウン』は長崎にある海辺の町を舞台にし、血縁関係を中心に描かれた物語。「ちゃぶ台がある海辺の一軒家(日本家屋)の居間を中心点として設定したうえで、そこで家族が崩壊したさま、そしてそこにある保守化した異様なコミュニティ、そんな海辺の町から一度外に出て戻ってくる人物が感じる閉鎖空間」が描き出された。
そして新作『文化センターの危機』は松田自身の生まれ故郷・平戸市周辺をモチーフに、「中心から場所を拡散させながら、どんどん変容していく人物の視点と、地域の濃密でわけのわからない関係に縛られ、場所を定点で見据えている濃密な人間たちの視点。それらの関係を描いた群像劇」になるという。
文化センター、港、山でのキャンプを舞台に設定し、『シーサイドタウン』での中心点を設定することとは対照的に場所がどんどん移動しながらそこに点在する個々の視点が描き出されていく…。照明にそれほど変化がなく、音響もほとんど使わず、衣装も同じのこの2作は『シーサイドタウン』に初演から出演する俳優6名に、新たにオーディションで選ばれた俳優1名を加えて上演される。
<海辺の町>を舞台とするふたつの物語は、『夏の砂の上』『坂の上の家』という初期作での長崎の風景、「マレビトの会」